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3Dプリンターでフィギュアを作る方法 — 設計から塗装まで

2026年4月19日3Dプリンター, フィギュア, 作り方, スカルプティング, 塗装

3Dプリンターの楽しみ方の中で、最も人気が高いのがフィギュア制作です。「3Dプリンター フィギュア」は月間8,000回以上検索されるほど、多くの人が興味を持っています。

この記事では、3Dプリンターでフィギュアを作る全工程 — ソフト選び、モデリング、パーツ分割、プリント設定、後処理、塗装 — を一通り解説します。

FDMとレジン — どちらを使う?

フィギュア制作に使える3Dプリンターは大きく2種類あります。

FDM(熱溶解積層)レジン(光造形)
解像度0.1〜0.2mm0.02〜0.05mm
表面仕上がり積層痕が残る非常になめらか
価格帯2〜10万円2〜8万円
素材コスト安い(PLA: ¥2,000/kg)やや高い(レジン: ¥3,000〜/kg)
向いている用途大型モデル、プロトタイプフィギュア、ミニチュア
後処理ヤスリがけ洗浄 + 二次硬化

結論: フィギュアの品質を求めるならレジンプリンターがおすすめ。ただしFDMでも、0.1mmの積層ピッチとヤスリがけで十分なクオリティが出せます。

フィギュア制作におすすめのソフト

Blender(無料)

フィギュア制作で最も使われているソフトです。

  • スカルプティング機能が強力 — 粘土のように有機的な形を作れる
  • マルチレゾリューションモディファイアで、粗い形から細部まで段階的に造形
  • リトポロジーツールでポリゴン数の最適化が可能
  • 完全無料で商用利用もOK

Blenderの詳しい使い方は「Blenderで3Dプリンター用データを作る方法」で解説しています。

ZBrush / ZBrush Core(有料)

プロのフィギュア原型師が使う業界標準ソフトです。

  • 数百万ポリゴンでも軽快に動作
  • DynaMeshで形状を自由に変形
  • ZRemesherで自動リトポロジー
  • 価格は約5万円(Core版は約2万円)

Nomad Sculpt(iPad)

iPadで手軽にスカルプティングできるアプリです。

  • Apple Pencilで直感的に操作
  • 機能はBlenderに近いが、インターフェースがシンプル
  • 買い切り約2,000円
  • STLエクスポート対応

フィギュアのモデリング手順

1. リファレンス収集

作りたいキャラクターの資料を集めます。

  • 正面、横、背面の3方向の画像
  • 服装や小物のディテール
  • ポーズの参考写真

Blenderではリファレンス画像をビューポートに表示しながら作業できます。

2. 大まかな形を作る(ブロッキング)

最初は細部を無視して、大きなシルエットだけ作ります。

  • 球体から頭部を作る
  • 円柱から胴体、手足を配置
  • 全体のプロポーションを確認
  • この段階で何度も調整する

よくある失敗: いきなり顔の細部を作り始めること。全体のバランスが崩れます。

3. スカルプティングで造形

ブロッキングができたら、ディテールを追加していきます。

  • — 目、鼻、口の位置を決めてから彫り込む
  • — 大きな束から作り、徐々に毛束を追加
  • — 身体の上にメッシュを重ねて作る(Shrinkwrapモディファイア)
  • — 最も難しいパーツ。リファレンスを見ながら慎重に

4. ポーズを付ける

Tポーズ(手を広げた状態)でモデリングし、最後にポーズを付けるのが一般的です。

  • アーマチュア(骨格)を入れてポーズを変更
  • または手動で頂点を移動(小さなモデルの場合)

パーツ分割のテクニック

フィギュアを一体でプリントすると、サポート材だらけになり品質が下がります。パーツ分割がフィギュア制作の重要なテクニックです。

分割すべき箇所

  • 頭部と胴体 — 首で分割
  • — 肩の付け根で分割
  • 武器や小道具 — 別パーツとして制作
  • 髪の毛 — 後ろ髪は別パーツにすると楽
  • 台座 — 必ず別パーツ

接合部の設計

分割したパーツを組み立てるために、接合部を設計します。

  • ダボ(ピン&ホール) — 円柱形の突起と穴を作る。直径2〜3mm、深さ3〜5mmが目安
  • キーイング — ダボの形状を非対称にして、向きを間違えないようにする
  • クリアランス — 穴はピンより0.1〜0.2mm大きくする(プリンターの精度による)

Blenderではブーリアン演算(差分)を使ってパーツを分割できます。

プリント設定(フィギュア向け)

FDMプリンターの場合

設定推奨値
積層ピッチ0.08〜0.12mm
インフィル10〜15%(軽くするため)
壁厚1.2mm(3周)
サポートツリーサポート推奨
ノズル温度PLA: 200〜210°C
速度30〜50mm/s(品質重視)

レジンプリンターの場合

設定推奨値
レイヤー厚0.03〜0.05mm
露光時間2〜3秒(レジンによる)
ボトム露光30〜45秒
リフト速度1〜2mm/s
サポート軽量サポート、0.3mm接点

サポート材の付け方

フィギュアはオーバーハング(突き出し)が多いため、サポート材の配置が重要です。

  • 顔にはサポートを付けない — サポート痕が目立つため。向きを工夫して回避
  • ツリーサポートを使う — 通常のサポートより除去しやすく、痕が少ない
  • 接点を小さく — レジンプリンターなら0.3mm、FDMなら0.5mm程度

後処理と仕上げ

プリントしたままのフィギュアは、表面が粗かったりサポート痕があったりします。後処理で品質を上げましょう。

FDMプリントの後処理

  1. サポート除去 — ニッパーやペンチで慎重に除去
  2. ヤスリがけ — 80番→120番→240番→400番の順で段階的に
  3. パテ埋め — 積層痕や穴をパテで埋める
  4. サーフェイサー吹き — 下地処理。表面の状態が見やすくなる
  5. 再度ヤスリがけ — 400番→600番で仕上げ

レジンプリントの後処理

  1. 洗浄 — IPA(イソプロピルアルコール)で未硬化レジンを除去
  2. 二次硬化 — UVライトで完全硬化(5〜10分)
  3. サポート除去 — ニッパーで除去、ヤスリで整える
  4. 必要に応じてヤスリがけ — レジンは表面が滑らかなので最小限でOK

塗装の基本

フィギュアの印象を大きく変えるのが塗装です。

必要な道具

  • サーフェイサー(下地材)
  • アクリル塗料(タミヤカラー、シタデルカラーなど)
  • 筆(面相筆、平筆の2〜3本)
  • エアブラシ(あれば。なくてもOK)
  • トップコート(つや消し or 光沢)

塗装の手順

  1. サーフェイサー — グレーのサーフェイサーを全体に薄く吹く
  2. ベースカラー — 大きな面から塗る。薄く2〜3回重ね塗り
  3. 影色 — ベースカラーより暗い色で影になる部分を塗る
  4. ハイライト — ベースカラーより明るい色で光が当たる部分を塗る
  5. ディテール — 目、眉、小物などの細部を面相筆で
  6. トップコート — 最後につや消しスプレーで仕上げ

初心者へのアドバイス

  • シタデルカラーは水性で扱いやすく、フィギュア塗装に最適
  • 最初はエアブラシなしでOK。筆塗りで十分
  • 失敗しても、サーフェイサーを吹き直せばやり直せる
  • YouTubeで「ミニチュア 塗装」と検索するとチュートリアルが豊富

まとめ

3Dプリンターでフィギュアを作る全工程をまとめると:

  1. ソフトを選ぶ — Blender(無料)、ZBrush(プロ向け)、Nomad Sculpt(iPad)
  2. モデリング — リファレンス収集 → ブロッキング → スカルプティング → ポーズ付け
  3. パーツ分割 — 頭、胴体、腕、小道具を別パーツに。ダボで接合
  4. プリント — レジンなら0.03mm、FDMなら0.1mmの積層ピッチ
  5. 後処理 — サポート除去 → ヤスリがけ → パテ埋め
  6. 塗装 — サーフェイサー → ベースカラー → 影 → ハイライト → トップコート

最初から完璧を目指さず、まずはシンプルなキャラクターから始めてみましょう。作るたびにスキルが上がっていきます。

3Dプリンターのデータ作りの基本は「3Dプリンターデータの作り方ガイド」、Blenderの使い方は「Blenderで3Dプリンター用データを作る方法」も参考にしてください。

この記事は3DEngine ブログの一部です。3Dプリンターに関する最新情報やチュートリアルをお届けしています。

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